経済産業省は、石油元売り企業に支給してきた「ガソリン補助金」を2023年9月末に終了することを明らかにしています。
補助金がなくなり、円安も続いているので、ガソリン代はさらに値上がりすることになってきています。
経済産業省は、10月以降も補助を続けるかどうかは原油価格の動向も踏まえ、柔軟に対応していくとしていますが、果たしてどうなっていくのでしょうか?
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ガソリンはなぜ高い?
ガソリンが高い理由はいくつもありますが代表的な理由は、収まらない紛争、世界的な景気の回復による需要増、産油国による減産、円安による輸入コストの上昇などがあります。

産油国の減産
パンデミック後の原油需要は旺盛です。足元の原油価格は1バレル=80ドル台前半ですが、この先、100ドルに近づく可能性は十分ありますと市場関係者は予測しています。
その理由は、OPEC(石油輸出国機構)の最新データによると、サウジアラビアの減産などの影響です。需要は回復してきているのに減産しているので価格は上がります。7~9月の世界の需給は、日量200万バレル超の大幅供給不足に陥る見通しといわれています。
表面的には利益の追求ですが、単純にそれだけの問題ではなく、背景には世界的なパワーバランスの変化があるようです。世界の政治がらみの複雑な問題でここで一口にまとめられませんので関心のある方は探求してみてください。
ガソリン 補助金なかったらいくら?
ガソリン補助金は、全国平均ガソリン価格が1リットル170円以上になった場合、燃料油元売りに補助金を支給する仕組みでした。
支給開始の基準は、2022年4月28日からは168円程度となり、上限を1リットルあたり35円に拡充しましたが、その後は段階的に下げていき、2023年5月は25円となりました。上限を超過した分への1/2支援は維持してきました。
政府は2023年6⽉以降、石油元売り会社などへ支給されるガソリンの補助金の助成率は1割引き下げられ、9割支給となりました。
168円を基準として、これまで通り支給される場合は 13.9円。 そこから1割減のため 12.5円支給となりました。2週ごとに補助率を9/10、8/10と減らし、9⽉末に終了します。
複雑でとても分かりづらい仕組みですが、今のところ2023年9月末で補助金は終わることになっていますので、政府がこのままなんの対策もしなければ全国平均で 1リットル200円以上になってしまうでしょう。

ガソリンの税金
ただでさえ物価が上がって大変なのに、ガソリンの補助金まで終わってしまってはますます大変になりますね。何か良い手はないものかと改めて考えてみると、ガソリンの税金がかなり高いということを思い出しました。
ガソリン1Lあたりの税金はいくらですか?
原油価格が上がってガソリンが高くなるのも困ったことですが、ガソリンにかけられている税金が高いのも困った問題です。
ガソリンには複数の税金がかけられています。内訳は揮発油税、地方揮発油税、石油石炭税。これら3つの税金がガソリン価格に加わっています。さらにその総額に対して消費税が課税されています。
揮発油税と地方揮発油税の合計は定額でガソリン1リッターあたり53.8円。石油石炭税は2.8円/Lです。合計で56.6円が1リッターのガソリンに含まれることになり、ガソリン価格が1リッター170円とすると、これに17円の消費税が加わります。
つまり合計で73.6円が1リッターのガソリンに加わる税金ということになります。実に40%以上の税金を払っていることになります。
税金に税金をかけるのは違法のはず。長らく議論されているにもかかわらず是正されないのはなぜなんでしょう?

ガソリン税 二重課税
日本で消費税が日本で導入されたのは1989年でした。当初の税率は3%で、このとき、「公平・中立・簡素」という観点から、石油諸税を除いた、すべての個別間接税は廃止または、軽減措置が実施されるとのことで、物品税、電気税、ガス税、砂糖消費税等は廃止。軽減措置は、酒税、たばこ消費税、料飲税等が対象でした。
この結果、ガソリン税、石油石炭税、石油ガス税などの石油諸税には消費税が掛けられることになり、いわゆる「二重課税」といわれる状態になりました。それが現在も続いているわけです。
政府の見解によれば、ガソリン税と石油税の納税義務者は石油会社で、消費税はガソリンを購入した消費者が納めるものであるので二重課税ではないとしています。
なんだか狐につままれたような話で腑に落ちない気がします。さらに変な理屈の例として、ガソリンに掛けられている税金の中に、道路特定財源制度がありますが、これは道路を利用する人、つまり受益者負担という考えに基づきかけられている税金です。
この税金は、道路の建設・維持費用を負担するためのものですが、現在は一般財源化され、道路以外にも使える税金となっています。これは道路の建設・維持費以上に税金が集まっているから一般財源にしたのではないかと疑いたくなります。
ガソリンはトリガー条項凍結解除で安くなる!
もう一つガソリンの価格を安くできる方法があります。それは、トリガー条項凍結を解除することです。
トリガー条項とは、2010年(平成22年)3月31日、租税特別措置法を改正したことにより、ガソリンの3か月の平均小売価格が1リットル当たり160円を超えるに至った場合は、暫定税率の適用を停止する「トリガー条項」が設けられました。
これは、レギュラーガソリンの全国平均価格が3か月連続で1リットル160円を超えた場合、ガソリン税の暫定税率分の1リットル25.1円を減税し、3か月連続で130円を下回れば税率を戻すというものです。
また、トラックが使う軽油に課税される軽油引取税も連動して17.1円が減税されるというものです。
ところが現在もトリガー条項は凍結されています。理由は東日本大震災の復興財源を確保するためとされています。
もちろん復興支援に反対ではありませんが、国民の税負担を考えるとガソリン税の暫定税率は見直す時期ではないでしょうか?

ガソリン の 値上げ は いつまで 続く のまとめ
収まらない紛争、世界的な景気の回復による燃料の需要増、産油国による減産、円安による輸入コストの上昇などでガソリンは高くなっていますが、これらの問題がいつ頃解消されるのかは分かりません。
ガソリンをはじめLNG、石炭など燃料のほとんどを輸入に頼っている日本は今後どうしてゆくのか引き続き考えて行かなければなりません。
現在は電気もこれらの燃料がなければつくることができず、電気代も高騰しています。電気自動車どころではないという現状です。
ガソリンの値上げがいつまで続くのかを予想するのは難しいですが、ガソリン価格をはじめとする燃料費は直接生活に影響しますし死活問題になりつつあります。
そんな中、ガソリン等に掛けられている高額な税金を少しでも下げられればと願います。

